当社は、高度な技術力を持つ当社独自の航空宇宙技術を応用した民生用機器の開発を展開中ですが、このほど、国産としては初めて独自開発した「エンジン駆動定周波定電圧電源システム」:当社登録商標:ビスカフ(Variable Speed Constant Frequency)を、大形保冷車搭載用冷凍機電源として開発し、ダイムラー・クライスラー社製の大型トラック(メルセデス・ベンツ アクトロス)で第1号機の試験走行を開始致しました。また当社は、並行して鉄道車両搭載用ビスカフについても開発中です。
「エンジン駆動定周波定電圧電源システム:ビスカフ」は、自動車などの走行用エンジンから、定電圧でしかも周波数の安定した「15KVA」の交流電源が得られる発電システムで、航空宇宙技術を駆使した最新のパワーエレクトロニクスと、独自の回転技術を結集し、アイドリング時から高速回転まで、エンジンの回転数が大幅に変動しても変動に影響されず、常に安定した一定電圧、一定周波数の交流電源が得られます。しかも、従来システムでは油圧モータを使用していましたが、今回の新製品はオイルを一切使用していないため、オイル漏れ等の環境問題から完全に開放され、食品関係等には極めて最適な製品です。
今回開発した15KVAの電気容量が得られるビスカフは、世界最高レベルまで超小形・軽量化を実現したので、大形の保冷車などに搭載が可能となり、冷凍食品などの配達・輸送中の庫内温度の上昇を防ぐことができます。また、待機中の冷蔵コンテナなど個別冷却用電源など、大容量の安定した交流電源が必要な各種車両・鉄道車両に幅広い利用が可能です。
当社では、この度のメルセデス・ベンツの大型トラック「アクトロス」で走行試験を開始した15kVA1号機に引き続き、さらに鉄道会社他からニーズのある40KVA容量の電源システムも開発し、近々市場投入する予定です。
当社としては、今回開発した航空宇宙技術を駆使した「エンジン駆動定周波定電圧電源システム:ビスカフ」を民生用として商品化したことを契機に、自動車搭載用並びに鉄道車両搭載用電源市場への参入を今後本格的に果たすことにより、ビスカフの年間売上5億円を目標にしています。
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