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神鋼電機が世界初の画期的な
高効率液晶基板搬送システムの開発に成功
 第7〜8世代サイズ対応の空気浮上式水平型枚葉搬送装置
 神鋼電機株式会社(本社:東京都港区、社長:佐伯弘文)は、従来の液晶基板搬送方式に比べ、カセット収納効率を3倍にしたことでカセット保管スペースが1/3にできることにより設備費が大幅に低減でき、且つ、生産リードタイムを1/3に短縮したうえで歩留まり向上を実現する第七世代(G7)〜第八世代(G8)対応の世界初の画期的な空気浮上式水平型枚葉搬送の「超省スペース・高効率液晶基板搬送システム」(特許申請中)を開発し、この程上市しました。
 今回のこの開発は、当社の半導体・液晶機器グループと当社の関係会社であるアシストシンコー株式会社(本社:東京都港区、社長:河野等)が、半導体・液晶搬送システムの世界的なトップメーカーである同社の持つ豊富な経験と知見の協力の許に本システムの開発に成功したものです。

1. 大型化が進む液晶搬送の現状と問題点
 パソコンやテレビ等の薄型ディスプレイ需要の増大に伴い、近年、液晶製造設備の新設機運が液晶基板メーカで著しいものがあり、2006年には2002年度比倍増の市場規模が予測されています。
 また、生産性向上および大型テレビディスプレイ対応のため、液晶ガラス基板サイズもG6、G7、G8世代と進化大型化し、G7世代1900mm×2200mm、G8世代に至っては2200mm×2600mmと、タタミ2畳(一坪)を上回る大面積ガラス基板が必要とされるようになってきています。
 このような、ガラス基板サイズの大型化に伴い、従来のカセット方式の搬送システムでは、基板のたわみが大きくなり、基板に対するストレス、基板収納スペースの増大、カセットサイズおよび重量増大によるカセット搬送装置の巨大化、工場全体スペースの増大など、品質・投資コスト面で様々な問題点が顕在化してきていました。
2. 新開発の「超省スペース・高効率液晶基板搬送システム」
 当社は、この度、益々大型化するガラス基板の課題を解決するG7〜G8対応の従来方式と全く異なる世界初の画期的な「超省スペース・高効率液晶基板搬送システム」(特許申請中)を開発しました。
 この搬送システムは、圧縮空気を利用して液晶基板を空気浮上させることにより搬送するもので、これにより基板のたわみを無くし、ランダムアクセスが可能(任意のガラス基板を出し入れ可能)となりました。この装置は高密度収納カセットと、空気浮上装置及び、水平移載型高機能搬送ロボットとから主に構成されています。
 この新搬送システムは、巨大化するG7(第七世代)〜G8(第八世代)サイズに対応可能で、生産フローに沿った液晶製造設備の配置を可能にする水平型枚葉搬送システムです。
 従来から枚葉搬送システムの課題であった製造装置間の製造所要時間差異、製造装置の故障やメンテナンス対応、検査装置へのサンプリング供給の課題も解決しています。
3. 本システムのメリット
1) 基板のたわみを無くした高密度収納カセット採用により従来の基板収納カセットに比べて3倍の収納効率を実現。
2) 高密度収納カセットからエア浮上機構により液晶基板を取り出し、ハンド機構にて液晶基板製造装置へ供給する水平移載型高機能搬送ロボットによる液晶基板にダメージを与えない高信頼な基板搬送を実現。
3) 生産フローに沿った枚葉搬送が可能なので、生産リードタイムが従来比の約1/3に減ると共に品質・歩留まりの向上に繋がる。従来方式のカセット単位でのガラス基板搬送が不要になり、工程間滞留仕掛かり量が減ると同時に、カセット保管スペースが従来方式の約1/3に低減する。
4) 新開発のランダムアクセス型高密度収納カセットを介した枚葉搬送により、製造装置間の製造所要時間差異、製造装置の故障・メンテナンス対応、検査装置へのサンプリング供給の課題も解決。
5) 従って、従来のストッカ保管数が減少し、工場スペースの縮小が可能となり、ガラス基板の搬送及び保管に要する設備費も大幅に低減できる。
6) 又、従来のカセット搬送方式と枚葉搬送との混在も可能。従って液晶基板工場の現実のニーズに即して、段階的な枚葉搬送システムへの移行が可能。
7) 将来のガラス基板の更なる大型化(G8を超えるニーズ)に対しても基本的に同様な方式でシステムが構築できる。
 既に、当社豊橋製作所内に、この新搬送システムの実機モデルも完成し、運転性能も確認済みです。
4. 今後の販売目標
 この度、開発に成功したこの新搬送システムは、日本、韓国、台湾の液晶パネル製造メーカーに紹介し、好評価を受け、新規建設液晶工場に採用の検討をして戴いています。新搬送システムは当社の半導体・液晶機器グループと当社の関係会社であるアシストシンコー株式会社(本社:東京都港区、社長:河野等)が協業して対応致します。液晶搬送設備への投資額としては、一つの工場で平均約70〜130億円が必要といわれており、今後2〜3年以内に年間100億円〜200億円の受注を予定しています。
5. 関連装置メーカーにとつて大変な衝撃
 今回の当社のこの分野への新規参入は、エンドユーザーにとっては画期的な朗報でありますが、一方、既存の巨大ロボットメーカーや基板大型化によるコンベヤ搬送を期待していた装置メーカーには大変な衝撃を与えることになります。
 今回のこの新装置の開発成功に対する、液晶メーカーの関心は極めて高く、今後、この分野の各関係メーカーの勢力地図を大きく塗り替える可能性が強まったといえます。
 

この件についてのお問い合わせは下記にお願いいたします。
報道関係様:神鋼電機株式会社 総務人事部広報グループ 担当 郡司
Tel. 03-5473-1803
 
お客様:神鋼電機株式会社 半導体・液晶機器営業部
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