神鋼電機株式会社(本社:東京都港区、社長:佐伯弘文)は、永年培ってきた航空宇宙分野の技術を応用して開発した「小型風力発電装置・そよ風くん」を昨年から販売し、現在日本各地に300基の納入実績を積み重ねてきています。
この程、国土交通省関東地方整備局横浜港湾空港技術調査事務所殿は、臨海部における防災拠点や港湾緑地での利用を念頭に、小規模風力発電機の活用に資する基礎データを収集するためとして、同事務所敷地内に当社の「小型風力発電装置・そよ風くん」を設置しました。
横浜港湾空港技術調査事務所殿では、自然との共生や生態系との調和のとれた環境共生型港湾施設を目指し、自然再生の実験にとどまらず、市民の自主的な環境活動を支援する施設として、事務所敷地内に海水を導入した池(タイダルプール:tidal pool)を整備し、周辺住民やNPOと連係した環境活動にも取り組んでいます。
同事務所では、今回設置した小型風力発電装置で得られた電気を、事務所付近で調査・採取した海棲生物の育成水槽の補助電源や、同事務所の照明や消費電力の少ない通信関係機器などの非常用電源として活用しています。
地球温暖化など地球規模の環境状態が危惧されている背景の中、国や地方自治体も、環境に配慮した公共事業を推進しています。小型風力発電装置を港湾施設などに設置した場合、臨海部特有の強い風を活用した発電が期待でき、さらに港湾施設や公園などのモニュメントも兼ねるなど、様々な場面で環境に優しいクリーンなエネルギーとして活用されることが有望視されています。
当社では、今後「そよ風くん」のような小型風力発電装置が、多方面で設置が推進されるものと期待しており、一層営業活動の強化を図ることにしています。
【そよ風くんの特長】
この程設置された小型風力発電装置「そよ風くん」は、長さ2mの4枚のブレード(垂直の翼)を、直径3mの縦軸に並べた垂直回転軸風車方式(ジャイロミル型)で、2枚の太陽光発電プレートを併設した高出力タイプです。(風速12m/秒で1360W+太陽光発電240W)
この「そよ風くん」は風速1m/秒から始動用補助モータもなく自力で回転し、風速2m/秒のそよ風で発電を開始します。
ブレード(垂直の翼)は、沿岸部での設置も考慮して耐塩性に優れた耐食性アルミニウム合金を採用しました。また、風切り音も自然の風とほぼ同程度の低騒音に抑えられており、しかも、4枚のブレード(垂直の翼)からなる風車部は、わが国特有の東西南北のあらゆる方向の風にも対応できるので、効率よく風のエネルギーを捉えて発電することができます。 |