神鋼電機株式会社(本社:東京都港区、社長:佐伯弘文)は、当社独自開発のレシプロモータを採用したことにより、従来の小形振動機では搬送供給が困難であった粘着性の高い精肉等もスムーズに搬送供給可能な「高振幅小形フィーダ」を開発、05年7月より販売を開始します。
これまでの小形振動フィーダの駆動部は電磁コイル式が一般的で、電磁石が金属を吸着する力により振動を発生させています。そのため振幅に比例して磁気ギャップも変動するので、磁気ギャップ以上の振幅は不可能であり、高振幅化の妨げとなっていました。
そこで、駆動部に当社が3年前に独自技術で開発したレシプロモータを採用することで、従来の限界を大幅に超えた、高振幅(当社電磁コイル式比2.5倍)を可能にしました。当社が開発したレシプロモータは、固定子と可動鉄心のギャップが一定に保たれたまま可動鉄心が往復運動するため、駆動力が振幅に影響されにくく、高効率を保ったまま振幅を増大することができます。
高振幅・高加速度を実現したことで、例えば、トラフ(搬送物を流す樋状の部品)に付着するため振動搬送が困難であった精肉類も、付着力以上の力で跳ね上げることで付着を解消しスムーズに搬送することができます。また、高振幅化に伴い約20%の省エネと大幅な供給能力のアップも実現しました。
さらに、レシプロモータは低損失、高効率であることから装置自身の発熱が少なく、温度を嫌う搬送物に対しても発熱の影響を与えない振動搬送装置として提供できます。
応用用途としては食品、化学、窯業、プラスチック工場などの供給、排出、搬送、定量供給、充填作業でプロセスの合理化と品質向上が期待できます。
今回の開発で小形フィーダの高振幅化について技術的な見通しが立ったことから、専用コントローラの開発し「高振幅小形フィーダ装置」としてコントローラとセットで販売いたします。本年7月より本格的に販売開始します。
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