世界初、画期的なレシプロモータ利用の
アクティブ制振装置の開発に成功
どんな機器にも後付けするだけで
振動収束時間を1/20に短縮
工作機械、ロボット、半導体・液晶製造装置、各種搬送装置に効果抜群
神鋼電機株式会社(本社:東京都港区、社長:佐伯弘文)は、2002年に世界初のレシプロモータ(往復動モータ)を開発しましたが、それを利用してこの度、機器に発生する振動問題を安価に、簡単に解決できるアクティブ制振装置を開発いたしました。工作機械の残留振動や、ロボットアーム位置決め時の残留振動、ライン監視装置・画像処理装置などのカメラに発生するぶれ振動など、振動問題は生産効率の低下や品質低下の原因となっております。このような振動が問題となっている機器に今回開発したアクティブ制振装置を取り付けることにより機械の共振現象を素早く抑制し振動の収束時間を1/20に短縮できることから、ワークハンドリングのサイクルタイムやタクトタイムの大幅短縮が可能となり高精度化を可能にします。
今回開発したアクティブ制振装置は、ビル制振等に使われている動吸振器とよばれる装置の原理を利用しています。動吸振器とは振動している機器にばねとダンパを介しておもりを取り付け、このおもりが振動するときの反力により機器自身の振動を小さくするものです。このとき振動させるおもりは、機器自身の質量の数分の1から1/100程度の小さなもので効果が得られます。しかし従来の動吸振器で良好な振動低減効果を得るには、ばねやダンパを機器の振動状態に合わせて設計し、さらに面倒な微調整を行なう必要がありました。振動は横振れ、縦振れが中心であり、従来の回転式モータでは動吸振器は不可能でした。
今回当社が開発したアクティブ制振装置では、ばねやダンパの役割をレシプロモータに肩代わりさせます。このため、詳細なばね設計や製作の労力をかけることなく、ただ単にコントローラの調整により理想的な動吸振器が実現できます。このような動吸振器は従来から考案されていましたが、一般的な機械には殆んど採用の事例がなく、実用化は高層ビルの地震対策用など大型構造物への用途が中心でした。
レシプロモータは高効率・高応答であり制御性に優れるほか、ベアリングなどの摺動部がなく、又、オイルレスのため、メカロスや発塵が極めて小さく抑えられています。これら優れた特徴をもつレシプロモータを利用することで、クリーン度の要求される半導体・液晶関連製造装置をはじめとして、ロボット、工作機械、無人搬送車など、汎用性が高く極めて広い用途に適合し、素人にでもすぐ「後付け」可能な、超小形アクティブ制振装置として完成させることができました。新製品のみならず既存装置にも簡単に取り付け可能です。
装置本体は、対象機械振動部の質量200kgまでを対象とする2機種を用意しており、それぞれ数Hz〜200Hzの装置固有の振動を低減させることができます。
現在、このような超小型で高性能、しかも素人でも簡単に後付けが可能な制振装置は存在せず、制振問題で悩んでいる多くのユーザーに多大な貢献ができるものと確信しています。
価格は制振装置本体とコントローラのセットで量産価格5〜10万円程度を予定しています。
販売開始は来春を予定しています。
なお、本装置は、11月30日〜12月3日に東京ビッグサイトで開催される「2005部品供給装置展/国際ロボット展」に参考出品します。
神鋼電機ブース…東2ホールNo.P-7
写真1 VR040
(130mm×48mm×48mm)
写真2 VR088
(175mm×105mm×125mm)
【用途】
・
ロボットアーム・マウンタ装置の制振および位置整定時間の短縮
・
露光装置など半導体・液晶関連機器やライン監視・画像処理カメラなどの振動抑制
・
半導体用搬送車(AGV)やその他無人搬送車の荷台部分の制振
・
プラント配管類の振動抑制
約1/20の時間で振動が収まります。
※VR088を使用した搬送用ロボットアーム相当装置での試験結果。
【本装置に関する特許】
33件申請中
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神鋼電機株式会社 総務人事部広報グループ 担当 郡司(ぐんじ)
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