トップページへ戻る

当社独自開発のレシプロモータを利用した自動車用制振装置を開発
ハンドルやシートへの振動を大幅改善
車内振動・騒音を抑える画期的な技術を確立
 神鋼電機株式会社(本社:東京都港区、社長:佐伯弘文)は、この度、自動車用アクティブ制振装置を開発いたしました。

 最近の自動車では、走行性能の向上に加え、環境への配慮や車内の静粛性向上が要求されています。環境面では、排ガス低減や燃費改善のために、希薄燃焼や車両の軽量化などが進められていますが、エンジントルク脈動の増大などにより車体振動が大きくなる傾向があり、乗り心地の面では不利となります。

 当社では、環境面と乗り心地の向上を両立させるために、世界で初めて独自開発したレシプロモータ応用のアクティブ制振装置を(’05年11月発表、’06年春に発売予定)この度、自動車向けに特化した制振装置として開発しました。この自動車用制振装置を車体の空きスペースに取付けることにより、エンジン振動の伝達によって発生する車内振動や騒音を大幅に低減し、乗り心地を改善します。

 車体に伝わるエンジン振動は、エンジンと車体フレーム間に取付けたマウント装置によって、車体に伝わる振動を遮断しますが、エンジン回転数が低い場合など、十分に振動を遮断できない場合があります。今回開発した自動車用制振装置は、レシプロモータ(往復動+モータ)とウエイト、およびコントローラによって構成され、車体振動に応じて加振するウエイトの反力を利用して振動抑制します。

 全体構成としては、図1に示すように、制振装置を車体フレームに直接取付けて、エンジン回転情報をもとにコントローラによって制御力を与えることで、低回転数でも車体振動の低減が図れます。

 当社において実際の自動車車体に制振装置を搭載した実験の結果、ハンドルやシートへの振動が激減することを確認しており、本制振装置と従来のゴム式などのエンジンマウント装置を併用することで、高性能マウント装置以上の振動低減効果が期待できます。当社の制振装置は数万円の価格帯を予想しており、当社の制振装置を併用したとしても、従来のエンジンマウント装置は簡略化されることからコストアップにはつながらないものと考えています。

 今回開発した自動車用制振装置は、次のような特徴が挙げられます。

(1) コントローラの最適化を図ることにより、車体振動の大幅な低減効果を実現できます。例えば、2.2Lワゴン車での社内評価試験では、車体前部に取付けた自動車用制振装置(VR088、写真1参照)により特に振動の大きくなるアイドリング時において、シート、フロア、ハンドルなどの車内振動を1/3〜1/8に低減化できています。また、車内こもり音も18dB(1/8)の低減効果がありました。
(2) 本制振装置は、アクチュエータ、ウエイトが一体化された極めてコンパクトな形状であるため、取付場所もエンジン付近に限定されることなく、車体の空きスペースに取付が可能(例えば、車内への取付も可能)です。
(3) 装置の心臓部であるアクチュエータ部は、当社独自開発のレシプロモータを用い、寿命に大きな影響を及ぼす軸受は当社オリジナルの板ばねを採用していることから、高寿命、かつ静粛性に優れており、また、潤滑油不要など信頼性の面でも優れています
(4) 装置本体は、レシプロモータにウエイトを付加したシンプルな構成であるため、自動車などの大量生産分野において、コストパフォーマンスに優れた製品となっています。
(5) 本装置を動作させる制御手段は、エンジン回転情報を入力することで実現できます。

 既に特許も34件出願済みであり、今後は、自動車メーカへ積極的にプレゼンを実施し、実装を働きかける予定です。

図1 自動車用制振装置の構成
図1 自動車用制振装置の構成
 
photo
写真1 VR088 (105mm×125mm×175mm)
 
○制振効果例
制振効果例
この件についてのお問い合わせは下記にお願いいたします。
【報道関係様】
 神鋼電機株式会社 総務人事部広報グループ 担当 郡司(ぐんじ)
 Tel.03-5473-1803
【お客様】
  神鋼電機株式会社 レシプロモータ営業部(東京)
 Tel.03-5473-1813 Fax.03-5473-1845
住所はいずれも
 〒105-8564 東京都港区芝大門1-1-30 芝NBFタワー
ニュースリリース一覧に戻る>>
製品情報>>

このページに関するお問い合わせ先 はこちら