神鋼電機株式会社(本社:東京都港区、社長:佐伯弘文)は、大正15年(1926年)に同期電動機用電磁クラッチを製作以来、各種の電磁クラッチ・ブレーキを製造販売する老舗メーカーとしてわが国の産業機器類の発展に貢献してきました。
この程、長い間積み重ねてきた豊富なノウハウと納入実績を基に、従来当社製品に較べて1.5倍となる摩擦係数0.6以上を実現すると共に、製品寿命に影響する磨耗率を従来の約2/3までに低減した高信頼、長寿命の保持ブレーキ用高性能摩擦材の自社開発に成功しました。
保持ブレーキはサーボモータ等に装着され、万が一の通電オフや停電時にバネにより制動力が働くスプリングクローズ式の無励磁作動(負作動)電磁ブレーキです。
スプリングを複数個使用し信頼性が非常に高いため、保持ブレーキ、非常停止ブレーキとして使用されています。今回開発した新摩擦材と、新たに考案した新構造(特許出願中=3件)を採用したことにより、当社従来品の同一トルクの製品と比較した場合、2/3までダウンサイジングを実現しており、サーボモータ等への装着後も省スペースが図れます。
従来当社では、摩擦材については全量外部購入しておりましたが、高性能摩擦材を成型から研磨加工までの全工程を社内にて行うことにより、品質や性能の向上が図られると共に、コスト競争力が大幅にアップするものと考えています。このため、伊勢製作所に当面月産1万台に対応できる体制を急速に整え、07年1月より本格生産に踏み切る予定です。(投資額約7千万円)
今後当社では、保持ブレーキ用摩擦材に引き続き、制動用ブレーキの摩擦材についても08年夏までの市場投入を目標に開発を進めております。一般産業機械をはじめ各種ロボット、搬送機器など安全性に対する要求が一段と高まる傾向にありますので、非常制動停止用として高性能摩擦材を採用した保持・制動ブレーキの拡販を強力に推し進めることで、無励磁作動形ブレーキの市場に確固たるシェアを確保できるものと考えています。 |