神鋼電機株式会社(本社:東京都港区、社長:佐伯弘文)は、半導体製造装置において、低真空プラズマ方式のエッチング装置、プラズマアッシング装置、プラズマドライクリーナ向けが増加傾向にあることを踏まえ、これらのプロセス装置へのウェーハ搬送用として、低価格でしかも高信頼の低真空搬送ロボットを開発し、某半導体装置メーカーに納入を開始しました。
従来の半導体製造装置に使用されている真空ロボットの仕様は、真空度が10−4〜10−6Paであり、高真空対応が故に価格も極めて高いロボットとなっています。低真空プラズマ方式においては、これほど高い真空度を必要としないにも係わらず、適当な低真空対応のロボットが市場に無かったため、止むを得ず高機能高真空用ロボットを使用せざるを得ないのが現状でした。
今回当社が開発した低真空ロボットは、半導体プロセス機器の市場で、最も要求の多い10−1Paの低真空状態で稼動し、他社の高真空機に比較して1/2〜1/3という低価格と共に、十分な高信頼性を実現した最新鋭の低真空搬送ロボットです。
300mmウェーハに対応するためリンク長さ340mmを実現し、かつ、原点出し不要のフルアブソリュートエンコーダを搭載したコントローラ一体型です。また、今回低コストなZ軸ストローク90mmタイプも製品化しました。
今回の低真空搬送ロボットをメニューに加えることにより、現在当社の主力製品となっている300mmウェーハ用の大気系搬送のロードポート、ローダモジュールと合わせ、大気系から真空系までトータル搬送の対応が可能となりました。また、当社は、更に、ダブルハンドタイプ、中真空用途タイプも開発中であり、半導体向けロボットのメニュー拡充を目指して行きます。
当社としては、低真空プロセスにおいても高価格な高真空搬送ロボットを止む無く使用していた業界に対し、低価格、高信頼性を武器に積極的に営業活動を展開することにより、低真空搬送ロボットにおいては年間約10億円の売上を目指したいと考えております。 |