神鋼電機株式会社(本社:東京都港区、社長:安井 強)は、当社独自開発のHD(High
Density Motor=高力密度)リニアモータの磁気回路を更に改良を加えるとともに、一次側(磁石、コア、コイル=コイルユニット)を分割し、その間に二次側(鉄心)を配置する構造と、可動部の軽量化も図ることにより最大加速度が33G(当社の従来型である一次側駆動方式の場合の最大加速度は7G)と、業界最高の加速度を実現した画期的な新型リニアモータの開発に成功し、この程販売を開始しました。(特許出願済み)
今回開発したリニアモータは、最大推力が1000N(従来機1150N)、可動部質量が2.87kg(従来機17kg)と最大推力:可動部質量比が33:1と極めて大きいことから、小ストロークで高速加減速が要求される半導体、電子部品の製造装置向け及び、エアー、油圧アクチュエータの代替用途向けに威力を発揮するものと期待しています。
当社は1993年に、従来型モータの磁気回路を根本的に見直し、一次側の(可動部)鉄心に高性能永久磁石を埋め込んだ独自の磁気回路により、鉄心の利用率を2倍に高め、大推力(最大5000Nまでシリーズ化)、低発熱、小形のHDリニアモータを世界で初めて開発しました。この従来型のHDモータは高精度位置決め、高速重量物搬送用として半導体・液晶製造装置等に多数採用されています。
今回開発の新型HDリニアモータは、従来のHDモータの磁気回路そのものを更に改良し、鉄心可動型とした業界初のムービングアイアンタイプとなります。当社では2010年度には約1千台の販売を見込んでいます。 |
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【新型リニアモータの構造】 |
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・二次側鉄心を一次側(コイルユニット)が挟み込む「 I 」型構造
・二次側鉄心のみが可動する“ムービングアイアン”方式採用 |
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【新型リニアモータの特長】 |
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1.高加減速度33Gを実現
二次側可動式とし、この二次側を挟み込む一次側構造の採用により、二次側可動子のサイズが半減・軽量化が実現できたため、高加減速度33Gを実現。(当社従来型の最大加減速度は7G)
2.可動子への給電不要
二次側鉄心可動型は業界初。可動子への給電が不要なので接続線がなく、断線ということもない。また、可動部からの漏れ磁束がないので、周辺精密機器への影響がない。
3.吸引力が相殺され超寿命
吸引力が相殺される構造のため、リニアガイドへの(軸受け)への負担が小さく長寿命。
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主な仕様
最大推力(N) |
1000 |
定格推力(N) |
420 |
可動部質量(kg) |
2.87 |
最大加速度(G)※ |
33 |
ストローク(mm) |
±40 |
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