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水冷銅ルツボの高周波溶解炉
世界最小級にコンパクト化

2015年10月19日

シンフォニアテクノロジー株式会社(代表取締役社長:古谷浩三、本社:東京都港区)は、融点の高い金属を扱え、世界最小クラスのコンパクト化した「卓上型瞬間溶解装置」を開発し、10月より販売開始しました。

従来はセラミック製のルツボが一般的でしたが、その破片が金属に混在し成分が変わってしまうことや、酸化物で金属が汚染される問題がありましたが、卓上型瞬間溶解装置では、金属を投入するルツボに銅を使ったコールドクルーシブルを採用しています。

コールドクルーシブルとは高周波の加熱コイルで熱する一方、銅ルツボには冷却水を循環させる方式で、得られる金属の純度を高めることができます。またセラミックスでは1600度までの加熱が上限でしたが、コールドクルーシブルは水冷銅ルツボのため温度の制約がなく、チタンやニオブ、モリブデン、タングステンといった高融点の金属にも適しています。さらに、誘導加熱のため合金化も容易です。

こうしたコールドクルーシブル溶解炉は当社がかねてから得意とする技術でしたが、さらに近年では、鉄系だけでなく様々な金属でのニーズが生まれており、試作開発をより手軽にできる溶解炉のニーズは高まってきました。

今回、開発した卓上型瞬間溶解装置では、金属を投入する炉の口径を従来の100〜600oから世界最小クラスの30oへと大幅にコンパクト化しました。これにより導入コストが低減され、設置工事の簡易化が可能となりました。また、ルツボを小さくするための電磁解析など、従来から当社が強みとし、実績がある技術が生かされています。

加えて、コールドクルーシブルでは加熱と冷却の双方を行うため高出力の高周波電源がネックでしたが、コンパクト化したことにより電源も50kWとし、試作開発に適切な規模としています。

主な販売先は企業や大学の研究機関です。機種はSEM(電子顕微鏡)による分析を目的としたものと、金属の丸棒とし機械試験を目標とするものの2機種があります。

当社では初年度から販売を開始し、2016年度以降は年間20台以上の販売をめざしています。

【製品仕様】

形式 QM-1 QM-2
溶解雰囲気 清浄雰囲気10-3Pa 〜 1000hPa
不活性ガス雰囲気可能
真空排気システム 真空ポンプ: ドライポンプ、ターボ分子ポンプ
水冷ルツボ形状 Φ30mm
鋳塊形状 半球状SR30 円柱体Φ30mm × 200mm
凝固収縮代は含まず
原料添加システム 真空電磁フィーダによる連続切出し
引抜モードと関連有、調整VR 付
鋳塊引抜システム 引抜速度:0.1 〜 10 mm/min
溶解金属に合わせた速度調節が可能
連続・間欠引抜モード選択
溶解電源 50kW 100kHz
制御システム 高周波電力制御方式
自動制御

注:特殊仕様につきましては、貴社打合せにより決定しオリジナル設計が可能です。

【設置環境】

電源 主電源 AC200/220V 50/60Hz 3相 60kVA
補助電源 AC200/220V 50/60Hz 3相 5kVA
冷却水 水圧 0.3 〜 0.4MPa 水温30℃以下 80L/min
圧縮空気 圧力 0.4 〜 0.7MPa で準備ください
不活性ガス 圧力と流量を制御したアルゴンガス系(圧力0.1MPa)

本装置運転用として、上記のユーティリティをご用意下さい。
本装置設置に当たり電波法による設置届が必要となります。

本件についてのお問い合わせは下記まで御願いします。
【報道関係様・お客様】
 シンフォニアテクノロジー株式会社
 総務人事部広報グループ 担当 嶽本(だきもと) Tel.03-5473-1803
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