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大トルクDDモータを商品化
世界最大トルク2000NmをHD方式で実現

■DDモータとは..?
一般に回転形モータは、ギアなどの減速機を用いて最終的な回転出力を得ています。これに対し、減速機を使わず直接負荷につないで運転するタイプのモータを「DDモータ」といいます。従来、回転形DDモータの方式には、バリアブルリラクタンス方式、ハイブリッド方式の2種があります。
DDモータはギアを使わないため、バックラッシュがなく、ギアの騒音もありません。また、メンテナンスが容易なため、産業用ロボットをはじめ精密機器のアクチュエータ(駆動源)として注目されています。
反面、負荷の影響が直接モータに伝わること、モータ+ギア方式に比べ、同じ出力を出すためにはモータが大きくなること。さらに、制御が難しく、大トルク化が困難であること、低速時の発熱が大きいなどの問題がつきまとっていました。特に発熱は、DDモータの使用領域を制限する原因のひとつになっていました。

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大トルクHDMシリーズ(1200Nmタイプ)

■「大トルクHDMシリーズ」の特長
「大トルクHDMシリーズ」は、独自に開発したHD(High Density)方式磁気回路により、これまでDDモータが抱えていた課題や問題を解決。様々な優れた特性を実現しました。
HD方式モータでは、高性能永久磁石を鉄芯の歯部に挿入するという新しい磁気回路を採用しました。鉄芯の利用率を従来の2倍以上に向上させることで、発生する力が大幅に増大。これまでのDDモータの最大トルク500Nmに対し、約4倍の2000Nm(注1)という世界最大トルクを達成しました。
また、従来方式のDDモータに比べ、同じトルクで比較した場合、モータ本体の大きさが1/2程度に小形化。低速運転時の発熱が少なく、大トルクでの連続運転、高頻度
での運転が可能になりました。このため、大トルクを得るためにモータ+ギア方式を採用している用途への導入が期待されています。さらに、ギアのバックラッシュがない、低騒音、高精度、長寿命、メンテナンスが容易などの特長から、半導体製造 機械、検査機械、高速・高頻度駆動の高精度工作機械などへの応用が広がると考えられます。

■多彩なラインナップを揃えたHD方式モータ
当社の小トルク回転形DDモータでは、すでにHD方式を採用。クリーンルーム工程内搬送用ロボットの動輪用、ステア用にホイールインモータタイプを使用し、小形、高速、静粛、高能率の走行システムを製品化しています。
この「大トルクHDMシリーズ」により、回転形HD方式DDモータ(HDモータ)は30Nmから2000Nmまでの製品ラインナップが完成しました。
また、リニアモータにHD方式を採用したHDリニアモータを、200N(注2)から20,000Nという大推力製品まで商品化。すでに振動コンベヤの新しい駆動源としてHDリニアモータを採用した「スライディングコンベヤ」など、多くの実績を重ねています。今後、HDリニアモータも低発熱の特長を活かして高加減速、高頻度運転を必要とする用途への使用拡大が期待されます。HD方式磁気回路は、日本、米国、ヨーロッパの基本特許を有しています。


スライディングコンベヤ

[TOPICS]メカトロプラットホームを伊勢製作所に開設
当社では、HDモータ、HDリニアモータを中心としたシステム実験ができるメカトロプラットホームを伊勢製作所(三重県伊勢市)に開設しました。これにより、ユーザーの皆様の希望するメカトロシステムの提案、迅速なプレゼンテーションや評価が日常的にできるようになりました。

(注)Nm(ニュートンメートル) :力のモーメントのSI単位
(注)N (ニュートン) :力のSI単位

 

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