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アルミや銅板など、非磁性材の振動・形状制御が可能に

磁性材向けの吸引方式を応用・発展させる

当社は、このほどアルミ、銅など磁石に吸引されない非磁性材の金属板が各種製造装置内で走行中に起こす振動を抑えたり,形状を矯正することができる世界初の電磁制振装置を開発しました。
この装置は磁気浮上搬送装置(リニアモータ)や電磁石を利用した鉄材運搬装置(リフマグ)など電磁応用機器のトップメーカである神鋼電機が培ってきた技術を応用して完成させた装置です。薄板鋼板などの磁性材を対象とした電磁制振装置はすでに製品化され、稼動中ですが、非磁性材を対象とした電磁制振装置は世界的にみても他に類を見ないものと考えられます。

今回の非磁性材を対象にした反発方式電磁制振装置の開発により、磁性材、非磁性材を問わず、金属材料の振動や形状を制御することができるため、各種のより精密な加工や効率的な処理が可能になりました。
この装置は交流電磁石を使い、対象物の金属板との間に発生する反発力を利用することにより、非接触で振動を数十分の1まで抑えることができます。
この方法は、ローラーで対象物を挟むといった方法ではないため、柔らかい材料でも表面を傷つけることがありません。
この開発により、磁性材、非磁性材を問わず各種金属材料、各種装置での振動制御装置、位置決め補助装置等として使うなど、様々の応用が考えられます。

鉄などの磁性材の場合は、電磁石の吸引力を利用して振動を抑えることができます。しかし、アルミや銅などの非磁性材は吸引されませんから、別の方法が必要になります。今回開発した反発方式電磁制振装置では、交流電磁石と例えばアルミ板の間に発生する反発力を利用しています。その作動原理はつぎのとおりです。

1.交流電磁石に電流を流すと電磁石から磁束が出ます。
2.電磁石と非磁性材のアルミ板間にうず電流(誘導電流)が発生します。
3. そのため、電磁石とアルミ板の間に反発力が発生します。
4. 電磁石に流す電流を調整することにより反発力をコントロールできます。

反発方式電磁制振装置の機器構成は、電磁石、センサー、パワーアンプ、センサーアンプ、制御回路および上位コントローラからなっています。電磁石は約300mm×130mm×100mmの大きさで、電磁石と例えばアルミ板とのギャップ10mmの場合、約30N(ニュートン)の反発力を発揮します。制振能力は材料の厚さ、剛性などにより変わりますが、振動を数十分の1まで抑えることができます。

他社に比べ既に商品化済みの当社磁性材用吸引方式電磁制振装置は、300℃の高温耐用コイルを使っているため、水などの冷却装置が不要といった優れた特長を持っていますが、今回開発した非磁性材用反発方式電磁制振装置も周囲温度にとらわれない様々な用途が考えられます。例えばアルミや銅は柔らかいため表面が傷つきやすく、非接触搬送が好ましく、そんな用途にも使用可能です。また各種ラインでのメッキ厚、塗料厚調整なども品質管理上、コスト管理上重要なファクターであり、これらの用途にも最適です。さらに本装置は、対象物の材質、剛性等に最適な各種コイル設計が可能であり、これらを並べることによって、小さな材料から大きな材料まで様々の幅や形状に対応することができます。
主な用途は以下のとおりです。

・ 連続メッキライン、塗装ラインでの磁性材薄板の振動制御(制振、加振)、そり矯正、たるみ矯正、ロールレス化(傷防止)
・ アルミ、銅など非磁性材薄板の振動制御(制振、加振)、そり矯正、たるみ矯正、ロールレス化(傷防止)
・ 各種搬送機器・装置での位置決め補助装置
・ その他、各種装置での非接触浮上、位置決め補助、ロールレス化

詳しい資料をご希望の方は、電子メールまたは下記へご連絡ください。

〒105-8564 東京都港区芝大門1-1-30 芝NBFタワー
TEL 03-5473-1803
神鋼電機株式会社総務人事部 広報グループまで

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