1. |
合弁会社設立の目的 |
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昨今、半導体業界は、技術革新とコスト競争の激化は言うに及ばず、グローバル規模での事業再編の波が押し寄せている状況にありますが、搬送システムのベンダーは、日々刻々と変化する市場環境とユーザーニーズにいち早く、かつ的確に対応することが求められています。そのためには、各社の単独運営という枠にとらわれず、グローバルに経営資源を共有する企業との合弁が不可欠であるとの認識に立ち、本日、両社出資による新会社(合弁会社)を設立することで基本合意に至りました。
これにより、半導体搬送システム分野で工程間搬送と工程内搬送の世界No.1 企業である当社と、半導体Fab Automation 機器業界で世界No.1 企業であるアシストグループとが全面的に提携いたします。この日米のトップ企業同士が提携することにより、両社が既に有する卓越した技術力の融合と製品群の連鎖はもとより、全世界に網羅された両社の販売・サービス拠点およびセールスルートの合体で経営資源の有効活用を図り、また、両社のユニークかつ先進的な開発力を結集することで、さらなる製品構成の拡充と競争力の強化を実現し、両社が有する世界No.1 の地位がさらに磐石になるものと期待されます。
当社にとっては、今回の提携により、マーケット面でこれまで相対的に弱かったアメリカおよびヨーロッパにおいて、アシスト
グループの持つセールスネットワークとアフターサービスネットワークを利用することが可能となり、一挙にグローバリゼイションが確立され、業績拡大に多大に寄与するものと期待しております。
一方、アシスト グループのメリットとしては、既に市場においてその技術力が高く認知された、当社の半導体搬送システムの製品と搬送制御管理システム(MCS)など優れたソフトウェアを顧客に提供できることとなり、半導体Fab Automationにおけるトータル・ソリューションの企業としての地位を確固たるものとすることができると考えております。
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2. |
合弁の内容 |
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今般、合弁会社を設立するにあたり、当社の半導体・液晶搬送システム事業を分社型新設分割方式により、その100%子会社を設立し、株式の51%をアシスト
グループのアシスト ジャパン株式会社に譲渡する方式をとることにより、同分野単独事業会社を設立することといたしました。
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3. |
提携によるシナジー効果 |
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1) |
アシスト グループが有する次世代搬送システム「FasTrack」と、当社が有する搬送システム製品が融合することで、幅広くかつ多様性に富んだ搬送システムの構築を実現します。
また、当社が有するMCSが「FasTrack」を含めてシステム全体を一元管理することで、搬送量アップ、搬送時間の短縮、低コスト化等をバランスよく実現し、生産性が大幅に向上するシステムを構築することが可能となります。 |
2) |
顧客開拓の面においては、日本およびアジアに強みを持つ当社と、米国および欧州で多くの顧客を有するアシスト
グループが合体することで、全世界のお客様をより強固なセールスネットワークで結ぶことが可能となり、かつ、お客様にとって最も重要なアフターサービス面においても、より万全なグローバル体制で対応できるようになります。 |
3) |
変化が激しい半導体関連設備業界にあって、上記のとおり、製品面、セールスネットワーク面において両社が相互補完関係となり、両社の経営安定化につながります。
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4. |
神鋼電機における日程 |
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分割計画書及び合弁会社に関する
正式契約承認取締役会 |
2002 年5 月24 日(予定) |
合弁会社に関する正式契約締結 |
2002 年5 月24 日(予定) |
分割計画書承認株主総会 |
2002 年6 月27 日(予定) |
分割期日 |
2002 年10 月1 日(予定) |
分割登記 |
2002 年10 月1 日(予定) |
株式譲渡日 |
2002 年10 月1 日(予定) |
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5. |
アシスト グループの概要 |
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1) Asyst Technologies, Inc.の概要 |
(1)名称 |
Asyst Technologies, Inc. |
(2) 主な事業の内容 |
半導体業界におけるファブオートメーション機器の開発、設計、製造、販売 |
(3)所在地 |
48761 Kato Road, Fremont, CA 94538 |
(4)設立年月日 |
1984 年 |
(5)代表者 |
Mihir Parikh, Ph.D., Chairman & CEO |
(6)資本金 |
292 百万ドル(2001 年12 月31 日現在) |
(7) 従業員数 |
約1,250 名 |
(8) 大株主構成及び所有割合 |
Berger Associates (11.4%),
State of Wisconsin Investment Board(8.8%) |
(9)当社との資本関係,
人的関係、取引関係の概要 |
神鋼電機との資本関係、人的関係、取引関係はありません。 |
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2) アシスト ジャパン株式会社の概要 |
(1)名称 |
アシスト ジャパン株式会社 |
(2)主な事業の内容 |
半導体・液晶関連の搬送用機器の開発、設計、製造、販売 |
(3)所在地 |
神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目6 番23 号 |
(4)設立年月日 |
1997 年9 月25 日 |
(5)代表者 |
代表取締役社長 梨本 丈穂(じょうすい) |
(6)資本金 |
1,138 百万円 |
(7)従業員数 |
約200 名 |
(8)大株主構成及び所有割合 |
Asyst Technologies, Inc.(97%) |
(9)当社との資本関係,
人的関係、取引関係の概要 |
神鋼電機との資本関係、人的関係、取引関係はありません。 |
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6. |
分割当事会社の概要 |
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(1) 商号 |
神鋼電機(分割会社) |
アシスト シンコー株式会社
[仮 称](新設会社) |
(2) 事業内容 |
電子精密機器、重電・汎用機器、搬送機器の製造及び販売 |
半導体・液晶用搬送機器の製造及び販売 |
(3) 設立年月日 |
1949 年8 月18 日 |
2002 年10 月1 日 |
(4) 本店所在地 |
東京都江東区東陽七丁目2 番14 号 |
未定 |
(5) 代表者 |
代表取締役社長
佐伯弘文 |
代表取締役会長
梨本 丈穂
(兼 アシスト ジャパン代表取締役社長)
代表取締役社長
河野 等
(現 神鋼電機常務取締役) |
(6) 資本金 |
9,701 百万円
(2001 年9 月30 日現在) |
未定 |
(7) 総資産 |
96,684 百万円(同日現在) |
未定 |
(8) 決算期 |
3 月31 日 |
3 月31 日 |
(9) 従業員数 |
2,647 人
(2001 年9 月30 日現在) |
約240 人 |
(10)大株主及び持株比率 |
神戸製鋼所
(退職給付信託口含む) 33.1%
第一勧業銀行
3.5% (同日現在) |
アシスト ジャパン 51.0%
神鋼電機 49.0% |
(11)主要取引銀行 |
みずほコーポレート銀行、
UFJ銀行 |
未定 |
(12) 両社の関係 |
資本関係 |
新設会社は分割会社の100%子会社になった後、分割会社が新設会社株式51.0%をアシスト
ジャパンに譲渡。分割会社は新設会社株式49.0%を保有。 |
人的関係 |
分割会社は新設会社に取締役を派遣します。 |
取引関係 |
新設会社、分割会社は相互に製品・サービスを供給します。 |
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7. |
分割する半導体・液晶搬送システム事業部門の内容 |
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当社のクリーンシステム本部のうち、半導体・液晶搬送システム事業であり、開発・設計(ソフトウエアを含む)・製造、据付工事、販売、サービス部門で構成されています。その主要製品は、工程間搬送用ビークル(OHS)、クリーンストッカ、工程内搬送用ビークル(OHT、AGV、RGV)、搬送制御ソフトウエアおよび関連機器です。
分割する事業部門の売上高(当社単独ベース)は、平成13 年3 月期で134 億円で、当社の売上高に対する比率は、15.9%です。
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8. |
神鋼電機の今後の見通し |
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財務体質の改善
分割する新設会社の株式を51%譲渡することにより、約81 億円の資金を獲得し、次のように財務体質が大幅に改善される見通しです。
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株式譲渡益を特別利益に計上し、繰越損失を一掃、復配体制の早期確立に一段と近づいたものと考えております。 |
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今回の獲得資金で、かなりの有利子負債を削減し、また、新製品に対する投資により一層振り向けることを含め、更なる事業構造改革を目指します。 |
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