２機種の新形スウィングモータを開発

２機種の新形スウィングモータを開発！
世界初の磁気ギア増幅形および積層コア形

　当社は、本年一月に発表しました様に、磁気回路に特殊金属を利用した小形・軽量、高速・高応答、無潤滑（オイルレス）、メンテナスフリー、長寿命のスウィングモータ（従来の回転式ではなく左右の往復運動形）の開発に、世界で初めて成功いたしました。用途としては、冷蔵庫やエアコンのコンプレッサ、又はポンプ駆動、健康器具等多種多様にわたっています。

　然しながら、当初スウィングモータは、小形、小出力の用途には極めて優れていますが、業務用エアコン等の大出力向けには、モータサイズやコスト面でやや難点がありました。これら大形向けの技術的およびコスト的問題点を克服するためと、又、客先仕様の多様性により細かく応えるために開発努力を続けた結果、この度、次の二つの新形スウィングモータを世界で初めて開発しました。（特許申請中）この２機種の新形モータの開発により、技術的にもコスト的にも小形、小出力用から大形、大出力用に至るまで、あらゆる用途に適用可能となりました。ボイスコイルモータやムービングマグネットモータ等の従来モータより技術的にも価格的にも、より優れた特性を持つこれらスウィングモータの需要は、一層拡大、発展するものと大いに期待されます。

　なお、本年一月スウィングモータの発表以来、多くのユーザーから引き合いが殺到し、現在数十社のユーザーに対して実機を供給し、ユーザーサイドで評価テストが続けられており、数ヶ月以内に第一号の受注が決定する見込みです。
　また、当社製品である高速繊維用モータの冷却用油循環ポンプにも、このスウィングモータを組込み近々発売する予定です。更に、最近の予想外の傾向として、自動車業界がＥＶ（電気自動車）対策用として当社のスウィングモータに多大の関心を寄せてきています。

１．	磁気ギア増幅形スウィングモータ
	新しい磁気回路により、非接触で推力を増幅できる「磁気ギア増幅形スウィングモータ」を開発しました。この技術を採用する事で、推力を増幅させる際、従来のように機械ギアを取り付ける事なく、容易に推力を増幅することが可能となります（推力増幅率；2～4倍）。
	【特長】
	1.	磁気的に推力を増幅するため非接触で力が伝達でき、伝達損失、磨耗等がありません。
	2.	ストロークが1/2の場合には、同じモータサイズで推力を2倍にできます。
	3.	比較的小ストロークで大推力が必要な用途に向いております。

２．	積層コア形スウィングモータ
	新しく３次元磁気回路を開発し、電磁鋼板による積層コアを利用した「積層コア形スウィングモータ」を開発しました。電磁鋼板を使用しているため、従来のモータ設計技術、生産技術を流用できるので、特に、これまで大量生産が困難だった大推力（推力５００Ｎ以上）用途にも対応が可能となりました。製造が極めて簡単であること、及び安価な電磁鋼板の使用により大幅なコストダウンを実現しました。
	【特長】
	1.	一般的な電磁鋼板を使用していますので，各種の形状，推力の要求に対応できます。
	2.	積層コアの積みを大きくすることで，推力を容易に増やすことができます。
	3.	磁気ギアとの組み合わせも可能です。
	4.	製造コスト的にも有利になります。（当初の高価な特殊金属から安価な電磁鋼板へ変更のため。）

　これら新シリーズの追加により小推力から大推力まで、構造、磁気回路を最適化して、幅広くユーザー要求に応えていくことができます。
　用途としては従来のスウィングモータと同様、高効率を要求される冷凍機のコンプレッサやポンプのピストン用として利用できる他、小形電子部品実装機用ハンドリング機構等、幅広い適用を予定しております。
　この新形スウィングモータは７月からの発売を予定しています。なお、推力、形状によって異なりますが、標準的な仕様で１台当たりの価格は、約５千円～１万５千円を予定しております

積層コア型スウィングモータ

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