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世界初方式のEV用モータシミュレータを開発
電気自動車開発の大幅なスピードアップが可能
自動車産業向け試験装置を更に拡大方向
 当社は、電気自動車用インバータの評価試験装置として、大幅な開発期間の短縮と低騒音・低発熱・少設置面積・安全性の増大を実現することができる世界初の静止形「電気自動車(EV)用モータシミュレータ」をこのほど開発しました。

 この「電気自動車(EV)用モータシミュレータ」は、これまで自動車メーカーや自動車関連部品メーカの電気自動車(EV)に搭載されるモータ制御装置の開発・評価試験において、モータ、ダイナモメータを駆動して行っていた評価試験を、当社の高度なモータ制御技術を駆使した世界で初めての静止形評価方式により、ダイナモメータのような回転部分を持たず、各メーカーが開発したインバータとの間で、直接各種の性能試験を可能にしました。
 「電気自動車(EV)用モータシミュレータ」を評価装置に組み入れることにより、モータの開発を待つことなくインバータだけで先行評価でき、回転部分が無いことにより、低騒音、設備からの発熱低下、回転部レスによる安全性の向上など環境にやさしい評価設備を構成することができます。
 既に国内自動車メーカー及び自動車部品メーカーなど、数社から受注し納入を開始しました。

 当社は、これまで自動車産業向けの各種試験機や大規模な自動車衝突試験機を、多数開発納入してきました。
 特に、電気自動車向けの高速ダイナモ試験設備分野では国内のトップシェアを獲得しており、その経験と実績の上に、独自のモータ制御技術を駆使して今回開発した「電気自動車(EV)用モータシミュレータ」には、国内外の各自動車メーカーとも非常な興味を示し、多数の引き合いが寄せられています。
 当社はこれまで自動車産業向け、とりわけ電気自動車やハイブリッドカーなどへの試験装置の開発・販売に積極的に取り組んできた結果、今年度は受注が大きく増加して、前年比2倍以上の40億円規模の受注が見込まれています。
 今後はこの「電気自動車(EV)用モータシミュレータ」の機能向上のための開発を継続して行うと共に、国内メーカーはもとより、海外の自動車メーカー等へも積極的に展開することにより、当社の事業の大きな柱として育成していく考えです。

電気自動車(EV)用モータシミュレータの特長
 従来、電気自動車用インバータの開発試験では、実際にモータを駆動して性能を評価したり、リアクトルと抵抗(LR負荷)を用いて定格や過負荷耐量の評価試験を行っていました。
 しかし、LR負荷の場合はモータの角度位置や速度のセンサ信号を発生する事は出来ないため、ごく一部の限られた負荷状態の中における評価試験にしか用いる事は出来ませんでした。
 今回開発された「モータシミュレータ」は、回転速度、馬力、電圧などのモータ特性を自由に設定でき、加えてモータのレゾルバや磁極センサの帰還信号を含めて模擬する事が可能となっており、実際に開発中のモータやLR負荷が無くても最終製品としてのインバータの評価試験が出来る事が最大の特長となっています。
 つまり、開発中の電気自動車用インバータと当社開発の「モータシミュレータ」を組み合わせる事により、このシミュレータがモータと同じ電圧を発生し、電流を流し、電力を消費し、刻々の回転速度情報を出しますので、電気自動車用インバータに対し、モータが接続されている時と同じ動作状況を実現する事ができます。
 
従来方式の試験パターン

■新開発のモータシミュレータによる試験パターン

1. 電気自動車(EV)の新型モデル開発期間を大幅にスピードアップ
今回開発のモータシミュレータは、モータ、ダイナモメータと組み合わせる事なく評価テストを行う事が可能となり、モータシミュレータと配線を繋ぐだけで各種評価試験が可能となります。そのため自動車メーカーでは、開発するモータの完成を待たずに、モータ制御装置(インバータ)の評価試験と、モータの開発を同時並行して行えることから、開発期間を大幅に(6ヶ月以上)スピードアップすることが可能です。
2. 評価試験の時間短縮
モータ制御装置(インバータ)とモータやダイナモメータを組み合わせて行う従来の試験方法では、モータのセッティングと、その動力負荷装置の接続、あるいは、試験目的別による煩雑な段取り作業に時間がかかっていましたが、本試験装置を用いた場合は、自動車メーカーが開発したインバータとモータシミュレータ間の配線を繋ぐだけで済みますので、試験評価をスピィーディに行うことができます。
3. 省エネ効果を発揮した試験が可能
今回開発のモータシミュレータによる評価試験では、モータやダイナモメータを稼動させる従来方式に比べ、回転する部分が一切無い全静止型ですから、低騒音であり、電力消費は極めて小さいので設備からの発熱も少なく、また振動もありません。併せて、テストエリアの縮減も図る事ができます。
この件についてのお問い合わせは下記にお願いいたします。
お 客 様 :神鋼電機株式会社 試験装置営業部 
Tel. 03-5473-1833
Fax. 03-5473-1847
〒105-8564 東京都港区芝大門1-1-30 芝NBFタワー

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